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私傷病休職期間満了に係る自然退職と休職命令書

私傷病休職期間満了時に復職できない従業員がいる場合に備えて、就業規則で「自然退職」を設けておけば、定めに基づく退職扱いは有効になりますが、普通解雇との違いや自然退職が争われる可能性もあります。

休職満了までに休職事由が消滅しない場合を解雇事由とするのではなく、自然退職事由とする旨の規定があっても、形式・文言上の違いに過ぎず、休職処分が実質的には解雇予告の意思表示を含むという考え方もありますし、休職期間中は無給とされ、退職金算定あたって休職期間が勤続年数に算入されない等の不利益を被ることになります。実際の裁判例では、労働者から休職命令や復職不可の判断が違法であるとして自然退職扱いが違法と主張されることが多くあります。

そのため、自然退職と普通解雇は異なるものであるとはいえ、使用者としては、自然退職に至るまでの入り口である休職命令が適法であること、自然退職に至るまでの出口である復職不可の判断が適法であることを主張立証できるようにしておかなければ、争ったときに負けてしまうリスクがあります。

そこで、休職の入り口部分である「休職命令書」が重要になります。中小企業では意外と口頭で曖昧に済ませている場合が多くみられます。一方、就業規則にもよりますが、「命令」しないと休職に入れない場合が多くあります。この休職命令書のないケースが多いのはなぜでしょうか。それは、休職制度が欠勤を前提にしてるためです。従業員が欠勤しはじめ数十日が経過した段階で休職の検討を始めます。すると会社は、いつから欠勤し始めたのか、いつから休職に入るのかが定かでなくなってしまうからです。

一方、就業規則には「休職を命じることがある」と規定していても、「欠勤から自動的に休職に入る」と読める規定にはなっていません。そうすると、休職命令書を出すなど、会社がなにか意思表示をしないと休職に入ったことにはならない可能性があります。

休職の法的な定義は、解雇猶予ですから単なる欠勤とは違います。そこで、休職命令書には休職期間がいつからいつまでときちんと記載しておく必要があります。

また、休職命令書にはこのほか、休職期間中は無給になること、定期的な病状の報告、社会保険料の本人負担分の会社指定振込口座への振込みなどと共に、休職期間満了までに復職できないときは退職扱いになる旨を記載しておくことが重要です。(岡本)

 

 

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