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私傷病休職の復職判定における休職期間中の試し勤務の重要性
私傷病休職の復職判断の難しさは、「実際に働いてみないと就労可能かどうかわからない」というところにあります。主治医が就労可能との診断書を作成しても、実際に復職させてほどなく欠勤してしまうことが起きています。そこで、「試し勤務」を用いて実際に働いてもらうということが必要になるケースがあります。
試し勤務制度は、使用者が自由に設計することができ、法律上、設計義務はありませんが、試し勤務の実施は復職の可否の判断に資するものであり、自然退職の効力にも影響を及ぼし得るため、設計しておくことをお勧めします。
試し勤務は、あくまでも復職診断のためのものなので、休職期間中に行うことになります。休職期間中であるため、改めて、試し勤務の期間、内容、給与等を合意をしたうえで試し勤務に入ってもらいます。
期間は原則として1ヵ月以内とし、試し勤務の実施状況等から最大で1ヵ月延長できることを定めておくべきです。いたずらに延長可能な期間を長くすることは、復職の可否を判断するという試し勤務の制度趣旨に合わないため、最大でも1ヵ月とすべきです。
試し勤務の期間の長さに応じて、使用者が勤務計画(1週目は4時間、2週目は6時間など)を決定できるようにしておく必要があります。試し勤務の内容についても同様ですが、一般的には休職前に従事していた業務を基準とし、その一部を軽減したものを業務とすることが多いようです。
労働条件は、本来の労務提供とは異なるので、労使の合意で、試し勤務期間限定で賃金を設定(時給)することも可能です。ただ、試し勤務の期間は、さほど長くないことを考えると、従前の賃金を前提に時間に応じて対応した方が無難です。また、試し勤務の位置づけを明確にした方がよいので、確認書や同意書を取り交わしておくのが良いと思われます。
試し勤務は、休職期間中に実施されることが予定されている制度であり、試し勤務期間中の就労は、通常の労務提供がなされるものではないため、休職期間に通算されることを明確にしておく必要があります。
特にフルタイムについては、雇用契約で約束しているフルタイム勤務に耐えられるだけの体力があるかを見るためには必須です。もちろん短時間勤務で試し勤務を行うことは構いませんが、短時間勤務で試し勤務を行う法的義務はありません。
試し勤務の同意書には、給与(時給)、業務内容、またこの期間はあくまで復職の可否を判定するための措置であること、全労働日の所定時間に記載の業務を支障なく行えたことが職場復帰への最低条件であること、会社は試し勤務の期間中に復職不可と判断せざるを得ない場合があることにも確認が必要です。(岡本)
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