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許可なくスキマバイトをしていた従業員を懲戒できるか、労働時間の通算は必要か

昨今、スキマバイト(短時間・単発の働き方)が人気ですが、従業員が会社の承認を得ずにスキマバイトをしていた場合は、就業規則の懲戒事由に該当します。ただし、副業許可制の違反について、会社の職場秩序に影響せず、かつ会社に対する労務の提供に格別の支障がない程度の副業は禁止の対象とはいえないとともに、影響や支障のあるものは懲戒処分の対象になると解されています。労働時間外をどのように過ごすかは基本的に労働者の自由であると考えられています。

労働者は、労働契約の存続中、信義則上、付随義務として使用者の業務上の秘密を守る秘密保持義務を負います。従業員がスキマバイト先で会社の業務上の秘密を漏えいしていれば、同義務違反を理由とする懲戒処分の対象に当然なります。漏えい自体はなかったとしても、漏えいのおそれがあった場合には、職場秩序を乱すものとして、同じく懲戒処分の対象になると解されます。

このおそれの有無は、個別具体的に判断する必要があります。例えば、事務職として勤務する者が、接客・サービス、軽作業、配送といったまったく異なる職種でスキマバイトをしていた場合、漏えいのおそれがあるとは言い難いです。他方で、専門・技術職が同種の専門・技術職に就いており、貴社の固有の技術やノウハウ等を把握している場合に、同種の専門・技術職でスキマバイトをすれば業務上の秘密を用いる可能性が高いといえますから、業務上の秘密漏えいのおそれがあると評価でき、懲戒処分の対象にあると解されます。

処分の程度については、漏えいするおそれのあった業務上の秘密の内容やその重要性、漏えいした場合に想定される支障の程度のほか、当該スポットバイトを行っていた頻度や期間等(頻度が高く、期間が長いほど漏えいのおそれが高まる)を踏まえて判断します。

また、従業員が、会社の始業前や終業後に頻繁にスキマバイトをすることで、疲労が蓄積し、就業中の居眠りやミスなどの職務懈怠が頻繁に見られる場合は、それ自体が懲戒事由に該当しますし、その原因となっている未承認での副業も同様に解されます。

なお、労働基準法は、「労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の運用については通算する」と定めてします。そして、「事業場を異にする場合」には、「事業主を異にする場合」も含みます。通算の前提として、副業による労働時間を労働者の自己申告等により把握することが考えられますが、その申告がなかった場合は不要とされています。従業員が無承認でスキマバイトをしていた時間については、申告がなければ、労働時間の通算は不要と解されます。

たとえ会社の承認なくスキマバイトをしていたとしても、当然には懲戒処分の対象にはできず、これを完全に抑止することも困難です。そこで労務管理上のルールを設けることを前提に、プラス効果(キャリアアップ、チャレンジ意欲)に着目し、業務上支障のない限り承認する方針を示すことで、未承認のままでのスキマバイトを防ぐことも考えられます。(岡本)

 

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