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パワハラ行為者対応で従業員への懲戒処分と合わせて配置転換を行うことは可能か
職場環境配慮義務を負う使用者は、職場におけるハラスメントを防止し、訴えがあった場合は事実関係を調査し、その結果に基づき加害者に対する指導や配転等の人事管理上の適切な措置を講じる必要があります。
職場環境配慮義務や労働施策総合推進法の措置義務に基づいて、パワハラ等により職場環境を悪化させる社員に注意指導を行う必要があり、従わないときは懲戒処分を検討することになります。
懲戒権は、使用者が企業秩序違反者に対し制裁を行う権限です。その実施には、就業規則に懲戒処分の根拠規定があり、周知されていることが必要です。
次に、その非違行為が就業規則の懲戒事由に該当し、制裁を加えることに「客観的に合理的な理由」があると評価できる場合に限られます。また、「社会通念上相当であると認められない場合」は無効になります。さらに、懲戒処分は不利益処分であることから、手続き的な相当性の判断要素として、本人に弁明の機会を与えるべきです。
一方で、パワハラの行為者を他部署へ配転する際には、行為者に対して配転命令権を有しているか、配転命令権の行使が権利濫用にならないかを検討する必要があります。
通常、就業規則には「業務の都合により出張、配置転換、転勤を命じることがある」といった包括的な根拠規定が置かれています。会社の就業規則にこの規定があれば、行為者に対する配転命令権を有していることになります。しかし、行為者を有効に配転するためには、配転命令権の行使が権利の濫用とならないことが必要です。
パワハラ指針では、事業主が事後に取るべき迅速かつ適切な対応として、被害者と行為者を引き離すための配転を挙げています。職場環境の改善と被害の再発防止の観点から、配転の業務上の必要性は肯定できるものと考えられます。
懲戒処分には、客観的に合理的な理由と社会通念上の相当性が認められるのであれば、懲戒権の濫用とはならず、配転命令も、業務上の必要性があり、不当な動機・目的ではなく、通常甘受すべき程度を著しく超える不利益を負わせるといった特段の事情が認められない限り、有効と考えられます。
処分には「懲戒処分」と「人事上の措置」があり、この両者を合わせて行っても、各々の目的や根拠が異なるため二重処罰には当たりません。処分は、「懲戒処分」と考えがちですが、「人事上の措置」という選択肢を組み合わせた効果的な処遇を考えることが極めて重要です。(岡本)
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