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65歳以上の高齢者と再雇用契約を締結するにあたっての留意点
定年後に再雇用された者の賃金を大幅に引き下げる場合、その引き下げが不合理なものであるか否かが問われます。業務内容や責任の程度、労働時間、役割の変化などに見合わないほど賃金を下げてしまうと、パート・有期雇用労働法8条が定める均衡待遇、同法9条が定める均等待遇に抵触する可能性があります。
賃金を引き下げる場合には、業務の内容、責任の程度、変更の範囲及びその他の事情に照らして不合理でないと説明がつくものかどうかの検証があらかじめ必要です。この観点からは、業務内容及び勤務場所について、不必要に正社員と同様の広範な業務の範囲を定めることは避けるべきです。
定年後の再雇用では有期雇用契約とするケースが多いですが、その場合は契約期間や更新回数、更新条件を明文化し、あらかじめ就業規則や個別の労働契約書で定めておくことが不可欠です。更新基準が曖昧だと、労働者が更新されるものと期待していたのに雇止めにされた場合に、雇止めの有効性が争われるリスクが高まります。
労契法18条(いわゆる無期転換ルール)により、有期雇用契約が通算5年を超えて反復更新された場合は、労働者の申し込みにより無期雇用契約へ転換できる仕組みがあります。65歳以上の再雇用者であっても、同一企業で契約を継続して5年を超える状況が生じれば、無期雇用契約への転換を申し込まれる可能性があります。会社としては、通算5年を超えない雇用契約期間上限をあらかじめ設けておくなど、高年齢者の雇用管理にもこのルールが適用される点を踏まえたうえで制度設計しておくことが求められます。
なお、有期雇用特別措置法8条2項により、適切な雇用管理に関する計画(第二種計画)を作成し、都道府県労働局長の認定を受けた事業主の下で、定年に達した後、引き続いて雇用される場合、有期雇用労働者(継続雇用の高年齢者)については、その事業主に定年後引き続いて雇用される期間は、無期転換申込権は発生しません。
第二種計画の認定手続については、第二種計画の作成後、事業主は、本社を管轄する都道府県労働局に計画を提出します。申請の際には、所定の「第二種計画認定・変更申請書」の該当欄に記入をするとともに、必要な添付書類を提出します。就業規則の写しや高年齢者雇用状況報告書の写しなどですが、講じている雇用管理措置の内容や都道府県労働局の窓口の運用によって異なることが考えられますので、あらかじめ窓口で確認したうえで対応するようにしてください。(岡本)
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